第67章
銀座でちょっとクラシック 特別コンサート

長尾春花ヴァイオリンリサイタル
賛助出演:實川 風(pf)
 
2020.07.24(金)
会場:汐留ホール
東京都港区東新橋1-7-2
汐留メディアタワーアネックス1F(銀座ではありません)
7月24日14時〜終演16時予定
満員御礼
曲:
バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番
バルトーク: ヴァイオリン・ソナタ 第2番
休憩
ブラームス: ハンガリー舞曲 第6番, 14番, 16番
ブラームス: ヴァイオリン・ソナタ 第3番
 
突然世界中がこれまでに経験したことのない困難に包まれ、非常事態のもとで、クラシック音楽の公演が全くなくなってしまってから、4ヶ月が過ぎていました。
コンチェルティーナ GINZAのサロンコンサートは開催できなくなり、今回は汐留ホール83席を40席に減らして、万全の感染対策を施しながらの開催となりました。
今回長尾春花さんは、7月初めに帰国、2週間の自宅待機期間を経て、唯一のコンサートとなりました。久しぶり過ぎて昨夜はとても緊張した、と話しておられました。
客席はこの日を待ち詫びたファンが、全員マスク姿で満席で迎えました。
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番。ヴァイオリニストにとって聖書的存在、重音奏法が多く、非常に難易度の高い4つの楽章から成り立ちます。
長尾春花さんの真摯なひたむきな音楽に向けた情熱が伝わって、その世界に引き込まれていきました。
第二曲目は、バルトーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番。バルトーク研究のためにハンガリーに留学し、今やハンガリー国立歌劇場のコンサートミストレスを経てリスト音楽院にて教鞭を執る春花さん。同級生の實川風さんと、この個性的な難曲を、一緒に弾きこなす事の喜びを確かめる様に完成させました。
休憩を挟み、
ブラームスのハンガリー舞曲6.14.16番では、さすが同級生、息の合った楽しい雰囲気に。
そしてブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番
緊迫した1楽章、哀愁を帯びた美しいメロディーの第2楽章、そして力強い第3楽章では、
長かった演奏が出来なかったこの間のエネルギーを爆発させるような熱い演奏で、一気にコロナ禍を吹き飛ばすかのようでした。
アンコールの前に、お二人の演奏活動が出来なかった期間のお話、音楽にかける思いを伺う事ができました。ハンガリー舞曲最終曲21番。
演奏家にとっても、我々音楽ファンにとっても、やはり生演奏は何ものにも変えられない、生きる為に大切な要素の一つだと、あらためて実感したコンサートでした。


長尾 春花
東京藝術大学、同修士、博士課程修了、博士号取得。日本音楽コンクール、カンポキアーロ国際音楽コンクール、フレッシュ国際ヴァイオリンコンクール等にて第1位、ロン=ティボー国際音楽コンクール、仙台国際音楽コンクール、ペカット国際コンクール等にて入賞。 静岡県文化奨励賞、上尾市栄誉賞、松方ホール音楽賞受賞。2018年、NYカーネギーホールにて、F.ヴァッキのヴァイオリン協奏曲を演奏。2016年よりハンガリー国立歌劇場管弦楽団コンサートマスター。2019年よりリスト音楽院にて教鞭を執る。


實川 風
2015年、パリで行われたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールにて、1位なしの第3位、最優秀リサイタル賞を受賞。翌2016年にはイタリア北部、カラーリオで行われたカラーリオ国際ピアノコンクール(カラーリオ・イタリア)にて第1位を受賞し、本格的に国内外での演奏活動を広げる。海外の音楽祭への招待には、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)がある。
東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。
山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲の各氏に師事。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程にて、マルクス・シルマー氏に師事。

 
 
お問い合わせ
mail@konzertina.jp