有馬律子
第22章 有馬律子ハープリサイタル
春を呼ぶハープの音色 

満員御礼ご来場ありがとうございました。

 

2014年9月よりチェコ国立ブルノフィルアカデミー生としてチェコ留学中の有馬律子さん、昨年日本ハープコンクールで見事第1位をとられ、今回1時帰国の忙しい中、銀座でちょっとクラシック2回目の登場です。
 一曲目はデュセックのリッチモンドヒルの女、華やかなハープらしい音色でスタート。ルニエのコンテンプレーション(瞑想)に続いてレジェンドは、王女と王子の悲恋の詩をもとに、女性ハーピストでもあるフランスのルニエ作曲。律子さんはこの難曲に高校生の頃から取り組み、実際、真っ黒になるくらい書込みがしてある楽譜を持ってきていただきました。こんな宝物を客席に回覧する、というまさにこのサロン、この空間でしか味わう事のできない演出です。
 
大曲の後は、クイズ形式でハープの仕組みを解説していただきました。身長187cm体重41kg、7本のペダルはそれぞれ金属の板と繋がり、音をフラットからプレーン、シャープに切り替えるのでした。
なので、優雅な音としなやかな腕の動きとは裏腹に、足はバタバタとペダルを踏みわけているという、まさに白鳥のような。荷重が容赦なく腰に負担を掛けます。何でこの楽器を選んでしまったのだろうと思う事もあるけれど、律子さんのハープに対する愛情が演奏中ずっと溢れていました。
 
あっという間に最後の曲は、これまた難曲、パガニーニの主題による変奏曲(ムチュデロフ)。
アンコールの後の茶話会でも、お客様にハープを体感して解説する大サービスぶりにお客様も大満足でした。
今年7月には帰国する有馬律子さんの今後の活躍が楽しみですね。

 

有馬律子 Harp
3歳よりピアノ 8歳よりハープを始める。
2004、2006年 第16回 、第18回 日本ハープコンクール ジュニア部門 第2位 受賞。
2008年 第20回 日本ハープコンクール アドヴァンス部門 第2位 受賞。
2008~2013 フランス クールシュベール講習会に参加。
2010年 第2回 ハンガリー国際コンクール 21才以下の部 第3位 受賞。
2010年 CD「翔く若手ハーピスト2」に参加。
2014年 藝大モーニングコンサートにて、藝大フィルハーモニアと、ロドリーゴ作曲
アランフェス協奏曲を共演。
2015年 芸大卒業時、同声会賞受賞。同声会新人演奏会に出演。
2015 年 第27回 日本ハープコンクール プロフェッショナル部門 第1位 受賞
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、2015年 東京藝術大学音楽
学部卒業。2014年9月よりチェコ国立ブルノフィル アカデミー生として在チェコ。
今までにハープを迫本宣子、早川りさこ、木村茉莉、ヤナ・ブシュコヴァの各氏に、
ピアノを藤原亜美、江口玲の各氏に師事。